今もそば屋さんでそば盛り用のざるとして
使われ続けている長野県戸隠の根曲竹のそばざるです。
その素朴で力強く、且つきっちりと仕上げられたこのざるは、
地元の長野県はもちろんのこと、全国で親しまれています。
こちらはその中でも少し大きめの直径約30cmほどのサイズです。
そばであれば、特盛サイズや何人かで一緒につつくようなときに使えそうです。
こちらはざるの中でも縁がしっかりと立っているタイプです。
緩やかに広がっているのではなく、しっかり縁があがっています。
戸隠では「ぼっち盛り」といって、そばをつかみやすいよう、
一口〜二口分ほどの束を作って、U字型にざるに並べることが多いです。
こちらのざるであれば、2〜3人分のぼっち盛りが並べられそうです。
縁もすべて根曲竹で、きっちりと巻かれています。
真ん中のあじろ底編みという技法から、ざる作りは始まります。
麺類を盛る内側にはすべてつるつるの表皮が来るように編んであり、
水切れが良くなるように作られています。
裏から見ても、しっかりと肉厚で取られたひごが、
日々お店で耐えうる作りになっていることを証明しています。
ざるも産地によっては、2種類の竹を使い分けるところもありますが、
こちらは縁の芯材に至るまで、とにかく根曲竹で統一されています。
縁がしっかりと立っている分、
かさのあるうどんなどでも十分使えそうです。
そばで有名な戸隠ではありますが、
うどんやそうめんなど盛る麺類は自由です。
パンやおにぎりをのせても雰囲気が良くなることは間違いありません。
<長野県戸隠の根曲竹細工>
江戸時代初期から戸隠中社地区の人々の生活の糧として始まりました。
平地が少なく水田がない戸隠においては竹が年貢として特例で認められるほど、
暮らしと竹が密接に関わりあっていました。
明治時代から昭和中期にかけては養蚕業に隆盛に伴い、
蚕籠(かいごかご)等の需要が高まり、生産量、職人数ともに最盛期を迎えました。
国有林から伐採の権利を借りて、材料採取は行われており、
大切な資源保護のため、春のタケノコの時期には乱獲されないよう「筍番」を
竹細工生産組合の組合員が交代で行っています。
そうした採取された根曲竹を表面を磨き、四つ割りされ、皮と身を分けてひごにします。
びく、ざる、目かご(茶碗かご)、箕の4つが代表的な細工とされています。
仕上がりの美しさと丈夫さ、そして根曲竹独特の温もりを感じる実用品の数々は、
現代でも広く愛用されており、色味などが経年変化をする楽しみも味わうことができます。
サイズ/重量
直径約30x高さ3cm/160g
天然素材を使った職人手作りの為、一つ一つの形・風合い・色味が若干異なります。
予めご了承いただいた上でご購入いただけると幸いです。表示サイズ、重量などは目安となります。
お取り扱いについて
・ささくれや破片でお体や衣類などを傷めないようご注意ください。
・水に濡れたらカビが生えないよう、できるだけ水を切り、できればふき取り、
日陰の風通しのいいところで乾かすようにしてください。