農家や業務用で必需品だった千葉県の箕です。
関東一円から東海地方では、こちらの千葉の藤と篠竹の箕が多く出回っていました。
収穫した穀物を入れ、下から上へ風にあおらせるように動かし、
細かい不要なごみやちりなどを外へ飛ばします。そういった動作を簸(ひ)ると言います。
必要なよい穀物だけを人力と風力で選り分ける先人の知恵から生まれたこの形。
日本だけでなく、アジアからインド周辺、およびアフリカにおいても
同じ形やまた、丸などの違う形でも同じ目的の道具があることが認められています。
口の方は柔らかくしなる作りになっていますので、
両手で縁を持ち、ぐっとすぼめて、穀物を袋に入れたりします。
その他にも穀物を箕に入れて運んだり、
乾燥させるために干しざるとして使われたりと使い方は様々です。
地面に置いた時に片方が大きく開いているため、
収穫したものを投げ入れたりするのにも重宝されています。
畑で取れたものを、入れる、運ぶ、選り分ける、移す、干す等、
農業において欠かせない行程を箕が担っていました。
藤蔓の表皮を縦に、横を篠竹で編む。
藤蔓の表皮は芯とは別に3枚から4枚薄くとり、使います。
藤の皮は柔らかいことで穀物を傷めませんし、
比較的固い素材の篠竹と編むことですき間を作らないように編めます。
外側の縁は孟宗竹が当ててあります。
それを縛っているのは、藤蔓から皮を取った芯部分を薄くひも状にしたものです。
横の篠竹をきれいに折りそろえ、一番下の部分まで、
丁寧に藤の芯で縛っています。
こちらは一番農家や業務用で多く使われている一斗サイズです。
現在は、一斗、五升、一升の3サイズのみ、産地では作っています。
千葉の箕はとにかく軽くて、材料作りから仕上げまで丁寧に作られているのが特徴です。
農作業ではもちろんのこと、和菓子屋さん、お茶屋さんだけでなく
メッキ品、ゴム製品の方々にもプロ仕様、業務用としてもお使いいただいています。
一斗サイズを作れる職人が2人ほどになってしまい、
今や貴重な手仕事になりつつあります。
現役の働く箕、ぜひ、ご活用ください。
サイズ/重量
約70x58x高さ16cm/800g
天然素材を使った職人手作りの為、一つ一つの形・風合い・色味が若干異なります。
予めご了承いただいた上でご購入いただけると幸いです。表示サイズ、重量などは目安となります。
お取り扱いについて
・ささくれや破片でお体や衣類などを傷めないようご注意ください。
・水に濡れたらカビが生えないよう、できるだけ水を切り、できればふき取り、
日陰の風通しのいいところで乾かすようにしてください。